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headphone amplifiers
Philosophy and technology
■保護回路とダンピングファクタ
高価なヘッドフォンを壊さないために 保護回路は重要な役割を果たします。
出力が小さなアンプにはこのような保護回路は不要な場合もありますが、低能率タイプもあるハイエンドヘッドフォンアンプでは欠かせない技術となります。
一例として 100dB/mW 32Ωで 最大入力が1500mWのヘッドフォンをを見てみましょう。
この場合 1500mWになる為には 耳が壊れるほどの130dBにもなる音量となってしまいますのでこういった使い方をする人はいないはずです。
スピーカー再生アンプに例えますと 8Ωで 12Wのアンプでは 32Ωで3Wの出力となり 前述のヘッドフォンは壊れますし、ショートすると無限大の電流を流そうとするので今度は アンプが壊れてしまいます。
不要な 出力があるスピーカー再生用アンプは ヘッドフォン再生に向かない一つの理由となります。
また 大きな音にならなくても壊してしまう危険性もあるのです。
それは 直流や直流に近い超低周波数や 正弦波という単一周波数に近い音です。
ヘッドフォンのインピーダンスは 周波数によって変わる事が多いですが、直流や正弦波は様々な周波数が入り交じった音楽信号と異なり 強大なエネルギーがあります。よって かなり小さな音もしくは音にならない低い周波数ではヘッドフォンを壊してしまうことがあります。これに関しても無用な大出力が向かない理由です。しかしながら 瞬間的な出力増加でも対応出来るパワーが必要ですし 超低インピーダンス出力はヘッドフォンのインピーダンス変化でも音が変化せず良好な特性となるのは理論的に明らかです。
一般的なヘッドフォンアンプでは出力に制限抵抗を入れたものも多く見られました。これは 無用な電流を流さないようにする 一つの手法ではありますが、内部インピーダンスを増加させ ダンピングファクタは悪化してしまいます。
このため パワーと安全性の両立のため様々な保護回路などが考えられています。
一例としては 直流に近い音を検出したら出力信号をカットしてしまえば 超低インピーダンスとハイパワーは両立できます。
また 内部インピーダンスがゼロに近い理想的なアンプは出力端子のショートで アンプ内部に膨大な負荷をもたらします。ショートした際に自動的に保護する回路も有効です。
誤った使い方や ヘッドフォンの特性を理解しない再生では保護回路は十分で無い場合も有りますが、音質に影響しない 最善の方法は採用すべきです。
OJI Specialでは 超低インピーダンス出力回路を100%有効に生かすために 現行の全てのヘッドフォンアンプには 超低周波数検出回路を搭載していて 通常のアンプ動作には影響せず DCに近い超低周波数は検出して出力をカットしヘッドフォンに不要な信号を加えること無く保護します。更に 電流検出回路で ショート、過大出力などに対してアンプ自体を壊さないように保護しています。
※不要な超低周波数の連続運用や ヘッドフォンの最大入力を超える連続運用など全てを保護するものではありません。適正な音量で音楽をお楽しみ頂きますよう御願いいたします。

