DPAT,DDAC,MTCSS、Crystallizedシリーズに代表されるハイエンドオーディオ機器はもちろん、オリジナルポータブルオーディオ機器,PC audio(PCオーディオ)やHTPC,そしてAV機器などオーディオだけでなくコンピューター,アナログ技術を駆使して高度なオリジナル商品,カスタム商品,カー用品をお届けする それが OJI Specialです。改造、特注などのカスタム品 custom-made もお気軽に

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2019/04/17
OJI Special BDI-DC44B -G TunedⅡ + SiIB-01
ゲイン変更 ・ TM-1オプション


BDI-DCシリーズは、選択のしやすさの為にオプションや型名は決めておりますが、ほぼワンオフと言って良い作り方の製品となります。すなわち お客さまの要望に近づけた製造が可能となりますし、製造後のお客さまの環境に合わせた変更なども行っております。

今回 お客さまの DAC。などの環境 及びヘッドフォン Focal Utopiaにあわせたゲイン調整の依頼がありましたので実施いたしました。

当社のアンプのゲインは 最近の超高感度 とも言えるヘッドフォンから 600オームと言ったハイインピーダンスのものまで ほぼボリューム位置が 10時前後~3時前後程度となる様に設定しています。ゲインとドライブ能力は別なのでただ単にゲインがあれば良いという物ではありません。切り替え方式も良いのですが、切り替えるという ロスが増えてしまい、究極を求めたハイエンドではできるだけ複雑な切り替え回路は避けなければなりません。
しかしながら 最近の高出力DACは勿論のこと ヘッドフォンの感度の差が非常に大きく、ゲイン変更に頼らざるを得ないところであり、今回はゲインがありすぎというパターンでのゲイン設定です。

アンプは 技術的に一言で「ゲインの変更」という言葉だけでは無い難しさがあります。
それは ゲインの変更にともない アンプの特性が変わってしまうと言うことが挙げられます。外部に アッテネータを設けますと 伝送上では確実に特性は悪くなり音質に影響が出ます。過大入力では アッテネータの減衰量の多い部分を使うこととなり、こちらも音質的に不利になります。

そのようなことも踏まえ 適正ゲインを目指し設定し直しました。
しかし機材を当社で揃えられないのと お客さまの 好みの音量を測ることが出来ませんので Focal Utopiaの感度特性を考慮し かつ 豊富な経験の中から適正ゲインを計算し設定し直しました。ある意味 計算上 かつ 推測も入りますが、結果は ほぼ良いところに収まったと感じています。

また 今回は 全分解組立となりますので、ついでに非常に好評価をいただいている トルクマネージメントオプションもモニターとして追加しました。
トルクマネージメントは 一般的な緩めて固有振動数を変える方式ではありません。これは ネジが適正に締まっていない状態で問題です。理由は ネジを締めて物体を付け一つの剛体のようにし接続するという ネジ本来の意味が無くなってしまうからです。

当社では 通常全ての機種で行っている 付けるための製造上のトルク管理とは別に 「パーツ毎の特性を生かす適正トルク値」 を 「弾性域」と「塑性域」の 締めつけを匠に使い分けて組み上げます。特に塑性域 では エンジンなどの組み立てなどにも用いられているように 非常に時間はかかりますし、ネジの再利用が出来ないという欠点はありますが、安定した確実な締め付け管理が出来、基板など柔らかい材質から歪みを無くし、 筐体の構造物やHiRISインシュレータシステムでは その特性を最大限に生かすトルク値を長年の経験から設定しています。 

■お客さまの感想


あれからしばらく聞き込みましたので、簡単になってしまいますが今のところの感想をまとめたいと思います。ボリュームの最適化による変化とトルクチューンによる変化のどちらかは判りませんので、合わせての感想です。

帰ってきてすぐの印象では、求めるボリュームで聴ける快適性はもちろんのこと、「細かい音が聞こえるようになった、リバーブの余韻が伸びるようになった」と感じました。トルク調整程度では自分の耳では誤差の範囲内だろうと考えていましたが、思ったより感じるものがありました。

インシュレーターをいじった時のような変化でしたので、トルクの効果であれば足元に効いているのだと思います。電源プラグ等のトルクを緩めると同じように音が伸びた経験がありますが、単純に緩めるだけの調整ではないとのことで、その辺りは理解が及びませんがとにかく自分としては良好な変化でした。

なぜなら、特にFocal Utopiaを使用した場合に今までのウチの環境ですと、OJIのアンプはものすごく制動力の強いような音、言ってしまえば「高性能で整っているけれどツマラナイ音」を出していて若干相性の悪さを感じていたのですが、帰ってきたアンプはいい具合に楽しい音を出してくれています。

上記の弱音のきこえや余韻の変化によるものなのかは判りませんが、シンプルに音楽が近くなって良いリスニングができるようになりました。システムを追い込んでいく程にこういう感覚が中々得られなくなっていくので、今回はメンテに出して本当に良かったです。

以上が、足し引きなしで感じたこと全てです。拙い感想ですが、参考になりましたら幸いです。

今回の対応のスピードと内容の素晴らしさには驚きました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2018/07/18
OJI Special DPAT Seven 64 修理及びSSD化


DPAT Seven64 発売からすでに10年余りの月日がたっていますが、まだまだ皆様現役でお使いになられています。前身となる DPAT-01は2002年にお目見えしました。当時 CDトランスポートが全盛の時に同じような構造のプレイヤーとしては アップルのipat 。 ほぼ同時に発売したのですが、なんと名前も似ていてビックリ! 
もちろん アップルipotと DPATの大きな違い。それは ipatはポータブル再生ですが、DPATは 当時最高峰といわれたエソテリックさんのP-0Sなどのハイエンドトランスポートを超える性能を得ることをコンセプトに開発。世界に先駆けて コンピュータを使ったハイエンドオーディオトランスポート。パソコンを使った PCオーディオとは全く異なるハイエンド品質で、多くの話題を 集めました。

それから 時を経て、メモリー再生という画期的な再生を標準搭載しクリアでぬけの良い CDと全く異なるサウンドの源は 回転やサーボ物体が無いという、クロックのみならずノイズが及ぼす影響を根本から改善したトランスポートになります。

今回は 当時としては珍しい DCアダプタ仕様のものの修理をいたしました。
HDD修理に合わせて SSDへの変更も行いました。
今回の固体は すでに 9年近く経過しておりますが、内部は非常に良好で劣化も少なく大切に扱われてきたというのがわかりました。また SSDは 当時には無かった 500Gbyte という大容量に変更。
実は SSD自体は ハードディスクにはない欠点を持っておりますが、サーボによる回転体がなくなる というのは大きなメリットです。

状態は非常によく また 換装後の音質も全く問題が無い状態となりました。換装には十分なテスト時間をかけて行っております。オリジナルの最終版のファームに書き換えてメンテナンスも同時に実施。

状態のみならず 音質も まだまだ 現役で活躍できます。

■お客さまの感想


この度は大変お世話になりました。

1週間ほど時間を頂き、機能と音質を確認させて頂きました。
HDDからSSDへの換装は問題なく機能しているようです。

音質も素晴らしく、換装前と変わらず楽しく音楽が聴けます。
SSDにしたので音の立ち上がりが良いかなという感じと、データの処理速度が早くなったように思います。

大事に使わせて頂きます。
ありがとうございました!

2018/06/22
Audio Technica AT-HA5000 OJI Special

 

ご使用のお客さまから こんな相談が・・・・
AT-HA5000 OJI Special
オーディオテクニカのヘッドホンアンプ AT-HA5000のこもりが気になります。クリヤーな音になるような改造を希望します。

オーディオテクニカのヘッドホンアンプ AT-HA5000は 比較的コストパフォーマンスが良く良く出来たアンプだと思っています。ただオーディオテクニカ製の製品は マイク、ヘッドフォン などにしてもスッキリしたサウンドに感じるものが多いのですが、アンプはどちらかというと味の有るアンプに感じています。

実績のある改造を行うことで不満は解消されると感じました。
改造は一般的には 良い部品に交換する ということが沢山言われていますが、よほど酷い部品を使っているわけでなければ高額な部品に変えても大きな変化はありません。
オーディオテクニカの製品、特にこのアンプは部品としては良質な物を多用していますので
実際に部品を変えてブラインドテストをしてみると差があまりないことに気がつきます。そもそもしっかりした部品が随所に使われているからです。
つまり量産製品として妥協を多く含むために、上手な使い方がされていない事も多いというわけです。
実は回路の問題の多くは 部品の特性による使い方 や 特性を生かした配線手法で解決する事が可能です。
今回のアンプはディスクリエートと言うこともあって オペアンプ製品と異なりアンプそのものを変えることは出来ませんので、そのアンプの味を残しつつお客さまの要望に合うような形で改造しています。

また アンプの回路では無いので音質そのものにダイレクト かつ 大きく変わる物ではありませんが、スッキリした感じを長く持続させるために劣化を感じる事が少ないフルテック製のロジウム電源インレットも交換しました。
一般に 金や ニッケルメッキは素材そのものは錆びることが無く 特に金は最も腐食しない金属ですが、実は工業製品としてメッキをかけた場合は意に反し、錆びるときが多いです。これは 金が錆びているのでは無く素材が錆びています。その理由の多くは 「ピンホール」です。金は 金色に見えても 実は薄すぎて下地が露出しているところが沢山あります。
今回は 実績もあるロジウムメッキタイプに致しました。
ロジウムは 好き嫌いもあるようですが、硬く耐久性も有り、電源ケーブルがよほど変なものでない限りは良い結果が出ているようです。

■お客さまの感想


先日はありがとうございました。

初日は1時間の通電後聴いてみました。一聴してクリアになっていることに気付きました。
まだエイジング前でしたが、W5000でもきつさは感じませんでした。

10日程経ちました。言葉でうまく表現できませんが、音が滑らかになって来ました。
切れが良くなったせいか、低域も伸びています。
W5000は、CDによっては耳の近くで鳴ると言われますが、クリアになったため音量を絞ってもはっきり聞こえ、奥行きが深くなり開放型の様なステージを感じます。
交換していただいたロジウムメッキの電源プラグについては、改造と同時なので単体での変化はわかりませんが現状の音に貢献しているのだと思います。

HA-5000を思い通りにカスタマイズしていただいたことにより、私の中ではW5000との組み合わせは一旦完成したように思われます。
親切なメールの交換の中で言葉足らずなこちらの意をくんでいただき、希望していた方向の音に仕上がっています。
これだけ気持ちよく聴けると、このアンプに合う開放型のヘッドフォンにもチャレンジしてみたくなりました。

この度は大変ありがとうございました。