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お客様へ
日頃 OJI Special改造をご依頼いただきありがとうございます。
おかげさまで 多くのお客様からご依頼を頂いておりますが、非常に多くの最新アイテムの改造を手がけている関係上、解析に時間がかかり、お待たせしているお客様も多くいらっしゃいます。 日々 努力しておりますが、改造はハンダ付け一つとりましても品質や音質への影響は避けられないこと そして妥協のない最上級の改造を行うために、今まで通り時間をかけ じっくりと改造しております。
納期に関しまして 改造内容によりましては通常よりも 1~2週間以上納期が長くかかっている場合もございますが、全ては 品質と音質を第一に考えておりますので なにとぞご理解お願いいたします。
2012/08/12 FOSTEX TH900 バランスリケーブル
2012/07/12 beyerdynamic T1 バランスリケーブル
言わずと知れた 最高峰ヘッドフォンの一つ T1
ドンシャリになれた人の耳からすると物足りなさを感じる音のようですが、実際には 高分解能 そして 低域から高域までフラット。そして ノイズ感の無さ。 これは特筆すべきものが有ります。
実は 技術的に 当社と同じ考え方をしているヘッドフォンで、どちらが後とか先とかの話では無く、同じような思想をもった 電気的構造で、 リケーブルした際にも親和性が高く、さらに真価を発揮するであろう構造となっております。
リケーブル時 ユニットは写真のように養生をした上で 丁寧に分解改造するわけですが、アースラインの一本がハンダ付け不良となっていることを発見しました。
もちろん修理しましたが、 こういう一つ一つの対応は量産では無いOJI Specialの良さになります。
養生した部分は 薄いフィルムが貼ってあります。 これに傷を付けたり ハンダの脂が飛んだりしますと 溶けるような破損や 破損まで行かなくても傷を付けることになり、影響は避けられません。
リケーブルは かなり時間をかけて行う場合がありますが、こういう手間暇かけた対応となっています。
■お客さまの評価
バランス化されたBeyerdynamic T1は、シングルエンドのT1には見られない様々な特徴を備える。
まず再生環境について。機器は寄せ集めに等しいが、ケーブルの構成を工夫しているので、ヘッドホン再生環境としてはそれなりの水準を確保していると確信している。
CDT1: CLASSE ΩSACD 1
CDT2: GOLDMUND EIDOS 36
DAC: Mark Levinson No.30.5
HPA: MBA-1 Platinum Edition
これを踏まえて、Balanced T1についてレビューしたい。
①基本性能
Balanced T1の基本性能は、Singled T1を含む従来のハイエンドヘッドホンよりも1ランク以上高いと感じる。
レンジや解像度、S/Nといった基本性能については、(一概に比較できないが)最高峰のSR-009と同等だろう。というよりも、それ以外に目立った対抗馬が見当たらない(double helix spore装備のHD800は未視聴だが)。そもそもT1自体が、(ATH-W5000のような)解像度や(HD800のような)ステージ表現を誇示・強調するタイプのヘッドホンではないため、一聴しただけでは凄さがピンとこないが、聴き込むにつれてその能力の高さを実感する。特に、ある程度以上のドライブ力を確保した上での低域方向のレンジ・解像度は、思わずドキッとするほど。TH900の台頭により低域表現No.1の座が危ぶまれるT1だが、OJI Specialによるバランス化を経れば、まだまだトップクラスとして君臨し得ると感じる。なんというか、T1の秘めていた潜在能力が開放された気がする。
②環境追従性の向上
エージングを終えた本機を使用してまず最初に感じたのが、環境追従性の高さ。
当方、環境追従性については業界随一と言われるATH-W5000も所有しているが、
Balanced T1のそれはW5000とほぼ同等レベルと言ってよい(ただし、W5000ほどピーキーな音ではない)。線材の質が大きく関係しているのだろうが、ケーブル1本1本の交換などに対しても敏感に反応してくれる。これは、ある程度以上のレベルで環境にこだわる者にとっては、非常に嬉しい要素だ。
また、多くのヘッドホンが再生環境のグレードアップに耐え切れなくなる中、Balanced T1は数百万クラスの機器の性能も悠々と鳴りに反映してくる。これはATH-W5000やSR-009などについても同様だと感じるが、このクラスのヘッドホンの音の精度たるや、下手なSPは顔負けだ。
③S/N感の改善
おそらく、バランス化とケーブル交換がダブルで効いているのではないかと思われる。今回は被覆にカーボンシースを使用していただいたが、これもその一因だと思われる。T1はSR-009などと比べて、どこかモヤモヤっとした音を鳴らすイメージがあったが、今回のバランス化によってそういったイメージは完全に払拭された。
④ステージ表現力の向上
S/N感の改善によりステージの見晴らしが良くなったことは前述したが、定位感・音像表現が大きく改善されたことも、言及すべき点だと思われる。ピントが合っており、個々の音像がビシっと決まる。各音像の精度は抜群に高く、ブレ・ぼやけはおおよそヘッドホンの限界と言える水準まで抑えられている。これをT1のパワーでやるわけで、打ち込み系などは非常に爽快。従来のヘッドホンの限界を一歩超えた表現だと感じる。
同時に、ここにきてMBA-1の限界を感じさせられた。このアンプ、生真面目で精度の高い音を出すのだが、いかんせんT1を悠然と鳴らすだけのパワーが無いため、鳴りもどこか無理をしているようで余裕が無い。
こうなると、ヘッドホン祭でも評判のよかった、BDI-DC24との組み合わせを検討したくなるところだ。
まとめると今回のバランス化は、T1が本来備える潜在能力を開放したと同時に、
各方面で指摘されるT1の欠点を改善し、更なる飛躍を実現したものであると感じる。
ATH-W5000、HD800、そしてこのT1の登場を皮切りに、ハイエンドヘッドホン群の絶対性能は明らかに向上しており、それまでのヘッドホンアンプやプレイヤー等、従来のヘッドホン再生環境の限界を感じさせるような製品も多い。言い換えるなら、それなりの環境を組まなければまともに力を発揮できないヘッドホンが多いということなのだが、そんな中にあってOJI Specialの提供するバランス化は、絶対性能の開放なる課題とコスパの問題の双方をクリアしていると思う。いまや、C.E.C. HD53NやNmode X-HA1そしてBLOSSOM BLO-0299などの存在もあり、バランス型ヘッドホンアンプは必ずしも敷居が高い存在ではないし、選択肢も多い。そして、それらとOJI Specialによるバランス化の組み合わせは、ヘッドホンシステムのグレードアップとしては極めてコストパフォーマンスが良い方法なのではないかと感じている。
2012/04/06 JVC HP-DX1000 バランスリケーブル
ビクターらしい 木のぬくもりを感じるヘッドフォン。 音は、外観とマッチングをするサウンドで、これもまた ビクターサウンド。
分解してみると 納得できる スピーカーのような構造で、上手くチューニングされていることが解ります。
視聴時に、若い頃よく聞いたサウンドを思い出しました。ご存じの方も多いかと思いますが、 コーン紙に円錐の角が出ているスピーカーの音を思い出し、懐かしくなりましたが、しっかりとした低域ですが、重すぎず、上手くコントロールされていると感じるそんな音です。 ただ バランス的に中高域とマッチングしないというか、音質的に繋がりが悪く感じました。
バランス化で 中低域の動きが理想的になればきっと上手く鳴る そんなイメージです。
■お客さまの感想
もともとDX1000といえば、その大きなハウジングがつくる独特の響きが特徴のヘッドホン、シングルエンドの状態ではその響きにくるまれてゆったりと音楽を楽しむことができる機種でした。
しかしバランス化したDX1000は一味違います。
まず大きな変化は音のスピード感、ゆったりとした鳴りのシングル時と比べてとにかく早いです、広いハウジングの中を高速で音が満ちそしてサッと引いていくのを感じられます。それでいて、もともとDX1000の持っていた独特の響きはしっかりあるのが面白いところ。
響きは多いのに音の輪郭とスピード感もバツグンという極めて個性的で魅力あるサウンドとなっています。
そしてもうひとつ、大きな変化を感じられたのが低音です。
もともとは、背景でまろやかに下支えするような低音だったのがバランス化により、ここぞいう所で大きなかたまりがぶつかってくるようなインパクトのある低音が出るようになりました。
なお、改造直後はやや荒さのあった高音ですが、エージングによってだんだんと
なじんでいき、現在は、シングルのDX1000と大差ない音色になっています。
トータルでみて、バランス化されたDX1000は、もともと持っていた独特の響きを生かしつつよりアグレッシブなヘッドホンに生まれ変わりました。
素晴らしい改造、ありがとうござました。