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お客様へ
日頃　OJI Special改造をご依頼いただきありがとうございます。
おかげさまで　多くのお客様からご依頼を頂いておりますが、非常に多くの最新アイテムの改造を手がけている関係上、解析に時間がかかり、お待たせしているお客様も多くいらっしゃいます。　日々　努力しておりますが、改造はハンダ付け一つとりましても品質や音質への影響は避けられないこと　そして妥協のない最上級の改造を行うために、今まで通り時間をかけ　じっくりと改造しております。
　納期に関しまして　改造内容によりましては通常よりも　長くかかっている場合もございますが、全ては　品質と音質を第一に考えておりますので　なにとぞご理解お願いいたします。

マニアの間では絶大な人気を誇っていたラジカセ（カセットが無いのですが、言いやすいのでそう呼びます）
私の自宅にも似たような　SONY製品があるのですが、　１０万円近くするにも関わらず　その音質の良さで買われた方は多いと思いますし、私のように、まだ現役で使っている方も多いと思います。

ただ　流石に年月が流れ　不具合も多いことと思います。特に液晶のELバックライトはうすくなってしまったりして　操作性に問題がある場合もありますし、そもそも　気持ちよく使うためには新品同様の雰囲気が良いですよね。
今回は　そういったレストア　と　お客さま指定の改造　そして　OJI Special改造を行いました。

本来当社は修理屋さんではありませんので　修理はしません。また壊れているものの改造は基本的に行いません。　
と言いますのは　修理屋さんで無いと言うこともありますが、メーカー修理が一番安価ですし、当社としては　修理をするのも設計をするのも　同様な技術的な仕事になってしまい、結局　サービスで行っている　その機器の製造メーカーさんの修理と異なり、高額になってしまいますので　あえてお客さまの事を考え行っておりません。
また　他の会社の機器の回路解析や部品調達は時間がかかります。特に量産品は　量産価格ですから　１台ずつ作るような事になる　今回の様な修理は問題です。
そして　改造ということで　壊れている部分が確定されていない状態では責任の所在も問題となりますので行いません。
と言うことですが、　実は　お客さまから　どうしても行いたい　という　かなり強い要望があり、今回のレストアと　
OJI Special改造に至りました。
改造前　めがね改造後　高級インレット
修理は　ELバックライト交換
お客さま指定の改造は　ACインレット　（めがねタイプから　通常の３P　ロジウムメッキインレットに交換）　そして　ヘッドフォンアンプの高音質化改造　そして　それプラス　アンプ関係全般の　OJI Special改造になります。

以前から何度も書いておりますが、量産品としては、ある意味でかなり良く出来たアンプです。
基本的な回路テクニックをできるだけ量産にも生かし設計されておりますし、全体的な配置もかなり良く出来ています。また　パーツも必要十分なハイエンドでも使われないような部品も贅沢に選択使用されている部分もあり、十分な性能があります。
逆に　ただ単に　パーツ交換をするような改造では　全く良くならないばかりで無く、パーツの音質差による色つけが変わる程度となってしまう可能性が高いです。音は変わったが基本的に良くならない　と言う、　改造で失敗するパターンになりかねません。
たとえば　パーツ交換をするにしても　そのパーツの特性と使っている理由を良く見極め、不足している部分を改善するような手法にしなければ意味がありません。　たとえば　高域のインピーダンスを下げたいのに　低域のインピーダンスが低いコンデンサーに変えても全く意味がありません。何をどう変えるのか　が問題にあります。音を変えるのは簡単ですが、　良くするのは非常に難しいのです。
しっかりと　回路を把握し、量産でどうしようも無かった部分、設計者の落ち度を見抜き理想に近い回路に改造するような高度な手法が必要です。

また　最終確認も、世界のハイエンドと言えるような、しっかりした機材で確認することも大切です。

■お客様の感想
一昨日受け取りました。
早速、900ST、MDR-1RMK2、T1でいろいろと試聴してみました。
音源はHAP-Z1ESです。
第一印象としては、中高音域の雑味がなくなり良い意味でニュートラルになった感じを受けました。
改造前に比較して、音の色彩感、立体感の改善が顕著でヴォーカルがはっきりと聞こえるようになり、駆動力も上がり、T1で1時半くらいで聴いていた曲が、12時位で充分な音量が確保できるようになっています。
900STでも充分楽しめる音ですが、T1につなぎ替えると後戻りできません。
AT-HA5000 OJI_Specialは、T1を充分鳴らしきれる素晴らしいアンプとなりました。
発注からたったの5日間でチューニングして頂き、ありがとうございました。

あくまでもナチュラルに　あくまでも透明に リファレンスという名にふさわしい　リファレンス　Ｒシリーズ　ハイエンド　イヤフォンリケーブルワイヤー　ですが、　今回　お客さまのご要望で　Roxanne　用のバランスケーブルを製作しました。
OJI Special　は　「お客さまの要望を具現化する」ということで　行っております。
あえて　無理を承知で　と言う形で　予備のケーブルも送っても良いというお話しまで　お客さまから言われました。
Roxanne用の純正品以外のリプレイスメントケーブルは無いようですし、当社のReferenceワイヤーで製作してみたい　そして　なによりバランスで聞いてみたい　という　お客さまの強う要望で　解析から始めました。





Roxanne　は　特殊な４極コネクタを使用しています。また　低域のボリュームコントロールが可能で　通常　ドライバーの数が増えてもワイヤーは　２本でドライバーまで配線されるのですが、　このモデルは　４本と２倍の配線量になっております。　左右で　８本のワイヤーを接続します。
当社Rワイヤーを通常の２倍使った新規ワイヤーを製作いたしました。

最近のカスタムIEMは　ドライバーの数を増やす方向になっております。　エネルギー感と　バランス取り、一つのドライバーの負荷を軽くする目的などでは非常に有効な手段ですが、　多くのドライバーを駆動する場合は　逆に上手くコントロールされていないと　濁りの原因になったり、多数のドライバーの効果を上手く発揮できないようです。つまり　しっかりと各ドライバーがそろって動作することが大切で、ハイエンドスピーカー再生ではバイワイヤー方式を採用、マルチ駆動するなど多くのメーカーが工夫しているところです。特に今回の様な低域コントロールなどボリューム装置が付いている場合は　逆にその装置が入る分　他とはバランスが取れないことになり、回路接続方法等も問題となります。つまり　イヤフォンでも同様で、今回は　リケーブルによる効果を最大限に発揮するように考えました。
今回　バランス駆動という言わば理想的なドライブをすると言うことで　回路全体の動作を考えたワイヤーの結線、撚り手法を開発いたしました。
Roxanneの純正品ワイヤは　ただ全て同一方向に撚ってありますが、当社Rワイヤーは　低域の分解能を中心とし、全体的に高分解能となるよう　特殊な撚り方を採用しております。

当社独自の　低温アニール処理など　何度も行程毎に行いながら処理していき、できあがったケーブルは満足のいく　太すぎない太さとよりが戻らない形状にできあがりました。　
バランスプラグは　AK240用バランス用2.5mmプラグに　8本接続という非常に厳しい業況ですが、しっかりと構成されております。
なお　イヤフォン側プラグは特殊なため　純正品をそのまま使用。　ボリュームは　解析済みですが　モールドが非常に良く出来ているためそれもそのまま　あえて使用しました。


■お客様の感想
本日受け取りさせて頂きました。
丁寧にしっかりと厳重に梱包してあり驚きました！ありがとうございます。
ケーブルがシルバーに変身していたのも長くなったのも新鮮です。
さっそくRoxanne本体と合わせて試聴してみました。

RoxanneはIEMの中でも特にドライバー数が多く、厚みのある音があります。しかし多すぎるのも問題でもっさりとした感じが気になっていました。
改造して頂いたケーブルに変更すると音がくっきりと聞こえてきました。トータル接続状況
音と音が束になりすぎていたのが、少し離れた感じです！もっさりしすぎてしまうため、低音最大を避けていましたが、最大でも安定して聞くことが出来ます！コントロールに関しては前よりも音の変化がはっきりと分かるようになりました。（音がくっきりしたからかな？）

小　すっきり鮮やか（個人的にはものたりず？）
中　細かい音まで聞きやすく、最高です！
大　情報量が多くても綺麗に分離して鳴らしきっています！（低音のかっこいい激しい曲だと迫力満点！）

自分は中と大の間あたりがお気に入りです！

ダメかなと思いながら無茶なお願いをしてしまったんですが、要望に応えて頂いて本当にありがとうございました！
大切に使わせて頂きます！