DPAT,DDAC,MTCSS、Crystallizedシリーズに代表されるハイエンドオーディオ機器はもちろん、オリジナルポータブルオーディオ機器,PC audio(PCオーディオ)やHTPC,そしてAV機器などオーディオだけでなくコンピューター,アナログ技術を駆使して高度なオリジナル商品,カスタム商品,カー用品をお届けする それが OJI Specialです。改造、特注などのカスタム品 custom-made もお気軽に

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お客様へ
日頃 OJI Special改造をご依頼いただきありがとうございます。
おかげさまで 多くのお客様からご依頼を頂いておりますが、非常に多くの最新アイテムの改造を手がけている関係上、解析に時間がかかり、お待たせしているお客様も多くいらっしゃいます。 日々 努力しておりますが、改造はハンダ付け一つとりましても品質や音質への影響は避けられないこと そして妥協のない最上級の改造を行うために、今まで通り時間をかけ じっくりと改造しております。
 納期に関しまして 改造内容によりましては通常よりも 長くかかっている場合もございますが、全ては 品質と音質を第一に考えておりますので なにとぞご理解お願いいたします。

2015/6/22 Luxman P-200 OJI Special


P-200-1.jpg
LUXMAN は以前から思っていたのですが、非常にコストパフォーマンスが良く さらに LAXMAN独特のサウンドで あのサウンドが好きな方には 安心して買えるメーカーさんだと思います。
しかしながら 当然ではありますが、オーディオ装置に限らずどんなものでも グレードの差でその性能差、オーディオで言うとサウンドの差もあるわけですが、選択肢が少ない ヘッドフォンアンプでは 所有している物を生かしてなんとかしたいと思うのは 誰でも同じだと思います。

そういう中 OJI Special改造 と言うことになりました。

改造箇所は
1,インレット
2,オペアンプ交換
3,電源とアンプ回路の改造
要望は 最近の多い 低域 と 高域。つまり レンジの広さが主題です。
4,スルーアウトの改造

をいたしました。

音質改善を口で言うのは簡単ですが、非常に難しい問題で、「回路自身が抱えている 音」の改善になりますのでとても難しいのです。P-200-2.jpg交換したインレット
また スルーアウト端子が付いていますが、 実は スルーでは無くフィルタが入っているようです。
この部分も 考慮し 改造を行いました。

改造の手法の一例ですが、フィルタは素人さん考えでは不要に感じるかもしれませんが、 不要な高周波を入力しますとアンプが誤動作をします。これを防止するために必要な物でメーカーでは挿入しています。 たとえば 電力がほとんど入らない 高性能なホーンツイーターなどでは不要な高周波入力による誤動作で最悪壊れる と言った問題も出ることも有ります。今回はヘッドフォンですから問題はありませんが、回路設計上 様々な事を考慮した安全対策は必要です。またこういった回路は 前後のインピーダンスの影響を受けます。 可聴オーディオ帯域から かなり離れたところでのカットオフになりますので本来であれば音の違いは現れないはずなのですが、一般機材では出力インピーダンスが高かったり、 スルー接続する次段のアンプの入力インピーダンスが低かったりしますとこれらの設計値は大きな変化をします。そして 位相回りはカットオフよりもかなり低いところから始まるために 昨今の高精度のオーディオでは問題となります。問題の無い範囲で定数変更を行いました。

■ お客様の感想

最初は手持ちのCDを聞き流し使い始めの4日間はずっと多少左右に広がったけど何か平坦で・・・それでいて詰まったような感じがする音質でした。
ずっと聞いても前のほうが響きがよく失敗したかな、という感想でした。

変化が起こり始めたのは5日目から
ふと何気なしにエージングをやめYOUTUBEなどを聞き流していると驚くほど伸びているのに気がつきました。一聴してわかる上下左右の広がりもですが、それ以上に一番大きな差は音の分離、見通しの良さです。今までのP-200は総じて響きは良いけれど、やはりヘッドホンで聴いていると感じる広さでした。babyfaceのいつもの設定であるクロックモード96khz設定は力強く、192khz設定は線が細くノリが悪いと感じておりあまり違いは感じず設定を変更することはありませんでしたが改造されたP-200で聞き比べてみると確実に96khzと192khzには超えられない違いがありまさか、と思い1からプレーヤーやパソコンの設定をし直しbabyfaceのクロックモードを最高設定である192khzに設定すると、今まで聞いていたCDでさえ音が広くなっており良くなっていました。
192Khzのハイレゾ設定に対応した音源を聴いてみると今までは聞こえていなかった微細な低音の強弱や静寂、そしてヘッドホンでは感じたことがない広がりがありました。

これほどマスキングされていたのか・・・と思う以上に良い音質を聞くにはハイレゾに対応しているだけでは鳴らしきれず最高の音質は良い機器が求められると痛感。
そして定位がしっかりしているおかげで中央のボーカルが左右両方からユニゾンのようにぴったりと決まりシンバルのアタックがとても気持ちがいいことが一番のお気に入りです。
P-200の以前の個性は少し鳴りを潜めた感じはありますが引き換えに全く異なるレベルのノビとヌケ、そしてそれ以上に付加されている音楽のノリ明らかに今までとは違う「音質のよさを顕著に感じることができる能力」それがこのアンプにはあります。

TH900をつかうとCD音源であるものでも各音の出所がわかりオーケストラのクラシックの大編成ではホールの広さまでがわかり驚きです。
また前ヘッドホンの低音の強いAH-D5000を使っていたら今までは感じ取れなかった高域を鳴らせているのはびっくりしました。
ただインピーダンスが低いXB90EXなどのイヤホンなどはホワイトノイズが多くなってしまい完全にヘッドホン専用になってしまった残念な一面もありますがヘッドホンでの音質はとても良くなりました。

平凡な感想かもしれませんが以上です。
oji様の求めている音質は非常にレベルが高く、そしてとても良い機材を使っていることが伺えます。高い費用でしたがかなり良くなっていると感じています。ただ、音質的に良くなってはいますが、やはりDACであるbabyfaceがこのアンプの実力とつりあわずまだまだアンプの実力を出し切れていない感じがありDACをもう一段上のクラスに変更する必要があるなと感じています。
ありがとうございました。
環境:PC→RME babyface→P-200










2015/6/20
Intercity MBA-1 Platinum Edition OJI Special


MBA-1_PE1.jpg
Intecity は ヘッドフォン祭 当初からご一緒させていただいたメーカーで 非常に技術がある会社と感じて今した。
社長とも仲良くさせていただいており、ヘッドフォン祭りでは当然お目にかかったり、かつ 御電話でおはなしさせていただいたりと思い出のある会社です。
そして スペシャルな物を独自に開発されていたのと 当時としては高額と言うこともあり、なかなか改造する機会はありませんでした。

今回 Intercityに想いをよせている方から改造の依頼が来ました。お客さまは MBA-1 と新たに MBA-1 Platinum Editionをお持ちで 今回は Platimum Editionの改造を行いました。

改造内容は
1,ゲイン変更
2,高音質化改造
女性ボーカルや金属楽器の音質改善とベース部分の押し出し感とスピード感の改善

そもそも メーカーの特別な物ですから改造はかなり大変です。
当社が言う改造とは ただ単に高額な部品に交換するわけではありません。 もちろん 高額な部品に変更すると音は変わりますが、その差は 回路変更をしたことに比べますと 比較的わずかで、さらに お客さまの求める音質になるわけで無い事は誰にでも理解できると思います。 
たとえば 海外製の安価な機材。 使っているチップは 超高級機種と同じ。 つまり部品は同じ。しかし ハイエンド機と音は 全く違います。部品では無く 回路設計手法そのものに影響するところが大きいのです。
 また 良くできた機材は 妥協こそありますが、長年培ってきた技術できちんと作ってあるのと、回路(図面や部品)だけで決まるわけではありません。回路の意味や設計値の意味を設計者の立場に立って考えて解析し、お客さまの求める音質にできるだけ近づけるという高度な技術が必要です。

今回は更に MBA-1の一般品の音質との差も 考慮されており、この良さ以上に改善するという 非常に難しい課題もいただきました。
逆にお客さまは現物どおしの比較ができる状態ですから、当社の技術も生きます。
MBA-1ノーマル、MBA-1 PE それぞれノーマルの音質を十分に聞き覚え、さらに音質比較を十分に行い、お客さまの要望を具現化しました。

解析をしていきますと MBA-1 PE(お客さま所有の現物) は やはり 部品の交換だけで無く、定数変更によるものということが分かりました。
アンプの音質は 能動素子の動作点で大きく音質が変わります。物理的には 動作点の位置によりアンプMBA-1_PE2.jpgMBA-1ノーマル版 、MBA-1 PEの音質比較作業の特性が変わりますので 当然ながら音質も変わるわけです。 また そのアンプを動作させているトータル的な位置でも音は変わります。 たとえば ヘッドフォンをスピーカー再生用のハイパワーアンプで鳴らしても良い音はしません。 アンプは 受動素子に至っても 動作させる位置、パターンなどでも大きく音質は変わります。たとえば ゲイン変更一つとりましても アッテネーションの値やインピーダンス、アンプのNFBでのゲイン変更、オープンループゲインとゲインのとり方やインピーダンスをどのくらいにするか、などと それらの オーバーオールでの特性など 様々な部分が関係して音質が決定されます。 さらに アンプの内部回路においては 部分帰還などの変更でも 当然ながら大きな音質差があるわけで 単純な作業では有りません。

様々な解析を行い、今回も機材の良さを壊さないように改造プランを立てて改造いたしました。

改造前の音質は 全体的には非常に繊細な綺麗な音質ではありますが、お客様の要望にもある様に、ある特定の楽器や音声などのきつさが部分的に目立つ音質なのと 全体的な押し出し感や力というものが不足していた感がありました。

改造後は 中高域の繊細な感じを残したまま 低域の伸びが加わり、レンジ感があり、さらに力強いサウンドになったと感じます。

■お客様の感想
メインの構成は[paw gold]→[MBA-1PE]→[alpha dog] or [HE-5LE]という感じです。DACは他にDAC-X9とDS-DAC-10を所有しております。
音量が取れないショックのあまり長時間聴き込まず改造に出してしまったので改造前の感想は記憶に残ってる限りですが・・・。改造前のMBA-1PEは前オーナーの方が行ったであろうゲイン調整のせいで手持ちの平面駆動型ヘッドホンではまったく音量が取れず、そもそもの録音の音量が低いソースはまともに再生できない状態でした。アンプ自体の印象としてはそれまでの手持ちのどのアンプより解像度が高く、アッサリ目のサラサラとした繊細な音で音場も広く、低音も物凄く低いところから出ているもののかなり引っ込み気味でノリの求められる曲にはあまり合わなさそうな感じでした。録音状態の良くないソースやMP3等の圧縮音源のアラも丸裸で、特に低ビットレートの圧縮音源は音がザラザラで聴いていられるものではありませんでした。また女性ボーカルのサ行やシンバル等の音が刺さり気味でソースによってはザクザクと鋭角に耳に刺さり、長時間のリスニングも厳しそうでした。
改造するにあたって最初にゲイン調整が可能か解析して頂き、高音質化も可能とのことでしたので、元の良さを残しつつ同メーカーの下位モデルのMBA-1のような元気さが欲しい、高音の刺さりを軽減したいというようにお願いさせて頂きました。

改造後に戻ってきたアンプを一聴して度肝を抜かれたのが低音の質感と量の凄さでした。
改造前は本当にアッサリとした部分だったので改造でここまで低音部が前に出てくるとは思わず、正直なところ面喰いました。それにしても強烈な、本当に低いところから超重低音がどっかんどっかん出るので「流石にちょっと元気にしてもらいすぎたかな・・・?」と思ったのですが、DACの違いがわかるアンプに仕上がっているというOJIスペさんの言葉を思い出し接続する機器をpaw goldからDAC-X9に換えてみました。すると音が激変し、ドカドカ出る低音は鳴りを潜め全体的に情報量の少ないアッサリ目のサウンドになりました。低音の正体はpaw goldだったのです。アンプはそれを忠実に増幅して反映してるだけでした。それまで使ってきたアンプは「DACやプレーヤーの音の違いは何となくわかっても何が違うのか具体的に説明するのが難しい」という感じでしたが、改造後のMBA-1PEはこの違いが明確に説明できます。本当に全然違うので驚きました、paw goldのポータブルらしからぬ情報量の多さにも改めて驚きましたが、安物DACにすると良い音ながらそのDAC相応の音になります。これは後々DACを選ぶ楽しみが出来ました。
電源周りを強化してもらったのが効いているのか、ドラム等の打楽器の質感も凄まじいです。音にハリと瑞々しさがあり、尚且つキレもあるので超低音まで再生するパワー・解像度と相まって弾ける音を聴いてるのが楽しくなります。改造前はこんなパワフルさはありませんでした。苦手だったであろうバリバリのロックやメタル、ゴリゴリの打ち込みも問題無くイケます。圧縮音源もノリがよくなったおかげで聴けるようになってます。
その一方で繊細さもキチンと残っており、普段あまり聴かないハイレゾ音源のクラシックを再生してみた所、目の前に突如広大な空間が現れ圧倒的な迫力で再生され思わず姿勢を正して聴き込んでしまいました。再生を始めた瞬間にこれはただ事ではないぞと鳥肌が立ちました、こんなの初めてです。
女性ボーカルの再生も生々しく、吐息なども本当に色っぽく鳴らしてくれます。分離は言わずもがなで音が埋もれてしまったり混じってしまうようなこともありません。「録音のダメなものはきつい音がでてしまうかも」とのことでしたが、高音部の刺さりも見事に解消されております。
アンプは当分の間到達点としてしまっても良いのではないかと思えるほどの素晴らしい物に仕上げて頂きました。次はDACとヘッドホンを買い替えるのが本当に楽しみです。ゆくゆくはOJIスペ様のDACアンプにケーブルで揃えてみたいです。
この度は改造して頂き本当に有難う御座いました。今後も是非また改造やリケーブル等で相談させて頂ければと思います。宜しくお願い致します。