DPATユーザー様ご訪問
1月に納品したユーザー様ですが感想が聞きたいと思い感想が来るまで待っていました。
T様本当にありがとうございました。

1月3日 雪が少しちらつく中、長野県上田市にお住まいのT様宅にお伺いしてきました。DPATの納品です。
T様は電気関連技術系の仕事をされていて非常に電子関連は詳しい方です。さてT様宅は閑静な住宅地にあって環境は非常に良いのですが、近隣住宅が近いので音漏れなどが少し心配でした。
納品にお伺いし中にはいるとその不安も吹き飛びました。
石井式の無定在波リスニングルームで音響特性だけでなく遮音性は抜群です。
 
一見すると定在波が一番多く出る立方体に見えますが全く異なります。詳細は下記をご覧ください。
http://homepage2.nifty.com/hotei/room/room.htm
天井は非常に高くリスニングルームとしては開放的に感じます。昔から天井の高い家に住むと・・・と言われていますが、狭い最近の日本家屋に慣れていると本当に広々と感じます。
中に入って思ったのは、定在波がないと 声は通り小さな声でも本当に良く聞こえますが無響室に入ったときのような変な感じが少しします。この違和感をたとえて言うなら 良くできている放送室という感じでしょうか。
リスニングルームでは窓なども心配になるところですが、写真のようにかなり壁の厚さがあり、十分な遮音性を持っていますが、実は平行面のある二重サッシはどうやら中で共鳴を起こす感じがするそうです。
 今回DPATを導入されましたが、CDプレイヤーとの交換になります。DVD-AUDIOは? と聞いたところ、一応用意しておいてください と言うことでしたので DAC内蔵のDPAT-02DにDVDプレイヤー内蔵と言う構成での納品です。今までお使いの機器の、大きな音質の不満は「独特の付帯音がつきまとい、クリアーな音質に聞こえない」ということでした。これは OJI Specialの一番得意とする分野です。「OJI Specialにお任せを!」ということで ある程度の予算のみお伺いしただけで 全てお任せ状態で受注しました。
OJI SpecialのDPATシリーズは既に雑誌等でその原理を言い続けてまいりましたが、CDの大きな欠点である、データの改竄、そしてリアルタイムで回して再生することによるサーボなどの時間軸情報への影響などを全て排除できる点にあります。
今回は 予算の都合もありメモリー再生は搭載しておりませんが、十分に満足していただけるものと思い納品いたしました。
 
最初に既存システムで聞いた印象は、確かに分解能も良く 音の一つ一つがよくわかるのですが、独特の付帯音がずっとつきまとっていて、非常に気になる音です。もしかすると長く聞くと疲れてしまうかもしれない というような感じです。実は、この分解能の良さは部屋の特性から来ていると言うことがわかりました。定在波がないというのは無響室も同じ形です。しかし無響室に近い部屋では 直接音しか聞こえませんので一般の住宅とはかなり違った音でこれではリスニングにはなりません。定在波が無い というのは反射はあって音は混ざり合いますが、音を濁らせる と言うことが少ないのです。逆に言うと 出てきた音に よけいな音が付加されないので 出てきた音そのものは非常によくわかります。これが分解能がよい と感じた理由だと思います。しかし 大きな欠点もあるのです。それは出てきた音そのものが濁っていると それが非常によくわかってしまうのです。だから 前述の付帯音が気になるのだと思います。
 
実はT様のシステムはアクセサリの音質変化が非常によくわかります。何かテストルームで試験をしているような錯覚に陥ります。オーディオに限らずどんなものでも予算の関係もありますので 全ての方が最高峰を求めることはできませんし、限られた予算で満足する音を構築する と言う形になると思いますが、T様のシステムは、CD再生の根本を解析できる部屋なのでは、と思うほど機器の変化に敏感なシステムと感じました。
 
 DPATをこんな会話をしながら設置しました。私の心の中では 何処においてもとりあえず既存のCDプレイヤーとは全く異なる付帯音がないクリアーな音になると思っていましたので、床の上にそのまま設置。何も考えずに普通のケーブルで電源に接続し音出ししました。
T様の第一印象を聞こうと顔を見たのですが、じっと聞き入っていて聞くことができない程でしたので、「何か?」と思わず聞いてしまいました。というのは、不満があると思ったからです。しかし全く違いました。あまりの分解能の高さとクリアーな音で既に音楽を聞き入っていたと言うことでした。
次から次へとCDをかけたのは言うまでもありません。知らない間にオーディオ談義になっていました。その中でかけたCDにはおなじみ「土と水」もあり、非常に楽しい時間をこちらも過ごすことができました。
さらに せっかくだから ということで 黒潮コバルトケーブルも持ち込み試聴したのですが、印象は「音がおとなしくなる」というT様の感想でした。確かに現時点ではT様の自作されたケーブルの方が音楽性があるように思えました。
実は私の中には一つの想いがありました。それは 「今まで付帯音の付くシステムでDPATのクリアな音に慣れていないのでは」思ったのです。オーディオという趣味は「音楽をシステム側で自分なりに自分の好きな音に味付けしてしまう事が良くある」という事もあります。その他 「よけいな音を隠すために色つけした方が良い」 と言う場合も多々あります。もちろん好きな音にするわけで問題があるわけではありませんが、セッテング終了後再度コバルトシリーズをテストしてみたなぁと思ったのは言うまでもありません。これだけ分解能がよい部屋に設置したのだから セッティングの見直しやアクセサリなどの見直しなどで、今までとは違うセッティングが必ず生まれるはずだ と言う想いでT様宅を後にしました。
 
一か月後 思った通りT様から うれしい便りが届きました。
以下 一部機器名など修正のみで そのまま掲載いたします。内容の補足ですが、さすが技術系です。ノイズの問題など非常に良く研究されています。今回はDAC内蔵タイプでDFILー01などのノイズ対策の効果が非常に鮮明にわかるようです。
当社のDDAC-01やProがCPUや不用なLCDを搭載しない理由がおわかりいただけると思います。
 

西出様 お世話になっております。
その節はどうもありがとうございました。おかげ様で毎日楽しくDPATを聞いております。忙しさにかまけて、感想を送ろう、送ろうと思いつつ今日になってしまいましたが、その後の感想と経緯です。
 
まず最初に西出様にDPATを持ってきていただいたときは、ラックの横にぽんと置いただけで、それだけでも従来のCDPとは異次元の音を出してくれることはわかりました。
その後、前のCDPをどけてラックにきちんとセッティングしたときはさらに格段に音の純度があがり、再びびっくり。
 この時までに、筐体がカンカン響くような状態なので、そのままだとハイ上がりになるので、ボンネットはある程度防振したほうがよいのを確認。ただし木材とかゴム系のものを使うと音が全域で濁りぎみになるので、今は主にメタル系のインシュレータなどを上に乗せています。またDPATの電源のGND(アース)は接続しない方がよいことを確認。
 
 次に面白かったのは、モニターを○○○○製のLCDに変えたときです。ここで中域に明るい癖がついて、少し分解能も落ちることを確認。CRTのときは、電源を入れても切ってもほとんど差は認められなかったのですが、LCDでは大きな差が出ました。
これはバックライトの輝度を落とすことにより、ほとんど気にならないところまで改善します。不思議なことに、バックライト用のインバータのノイズが影響している
としか考えられません。たぶん数百キロヘルツのスイッチング周波数ですので、そのままでは聞こえませんが、DAコンバータの変換時にエイリアシングかクロックへの影響により、可聴帯域にノイズが降りてきていると推測されます。
 
さて、この辺までに、音は大変クリアで、濁りとか揺らぎとかには無縁なのですが、なんとなく音色感に変化が出ないことに気づきだしました。
まるでマスタリングコンソールからそのまま引き出したような鮮度がある一方、楽音がやや平面的というか、不快ではないのですが、中域が常に明るく、悪く言えばおもちゃ的というか、アニメ的というような音色が常に出ていました。クリアではありますが、音を聞いたときの快感がいまひとつない。これだけの鮮度があるのだから、普通はもう少し色気のある音色が出そうなものなのに?本当の音はこういうものかな?と不思議に思っておりました。
 
その後、噂のDFIL-01を購入し、組み込みました。中継ケーブルから接続できると思いきや、ピン数が違うのですね。基板からの接続でかなりケーブル長に無理があるなと思いつつ、宙ぶらりんで軽く固定してあります。あれでいいのかな?
 
でその音ですが、中域の独特の明るさが消え、音色感が出るようになりました。やっぱりスイッチング電源のノイズの影響は、前のLCDのインバータと同じ傾向に、中域の明るい音色として乗っていたということなのかもしれません。その代わり、中域が引っ込んだため、高域のシャリ感が強調され、かなりハイ上がりの細身の音になってしまいました。そこでスピーカのセッティングの微調整で中域を強め、アンプのトーンコントロールでわずかにハイ落ちロー上げにすることでとりあえず対策。こういうときはトーンコントロール付のアンプはいいですね。
 
でもなんとなく地味な音で、以前の元気な中域が少し懐かしいと思いながら、次の比較実験で、今まで繋いであったアンプのGND(アース)線をはずしたところ、これは大正解で、やっぱりアンプもGND線がない方がよかった。
大変素直で音場感がよく出るようになり、私は現在かなり狂喜乱舞状態です。
ちなみに拙宅ではGND(アース)の接続は、接地という本来の接続より、GND線をアンプの後ろで床にぴったり着けたときの浮遊容量の方が大きく効きます。
DPATの場合、接地からはひたすら切り離して、電気的に浮かせた方がよいとすると、今後のセッティングの考え方も変わってくる気がします。
 
しかしDPATの音は何のストレスもなく、目をつぶると部屋の壁が消え、青空にどこまでも吸い込まれて行くような感じにさえなります。ほんとすごいと思います。
 
不満は、ファンの音が聞こえる点が一番かな。でも最近慣れてまったく気にならなくなりましたけど。あとプレクスターのソフトがバグっぽいところが少しあるのと、使い勝手がまあ、あんなものかな?と。これも最近慣れました。なんといっても無償ソフトですからね。ほかの機能はまだほとんど使っておりません。
本当に導入して良かったと思いました。ありがとうございました。